ライフログ

最高級車「センチュリー」の個人タクシーの車内で聞いた芦屋セレブのバブリーなお買い物

<追記>

兵庫県知事が公用車に「センチュリー」を導入して大バッシングを受けていますよね。

どんだけ県知事が「エライ」のかよくわかりませんが、県民の税金で購入し、維持するモノとしては贅沢過ぎだと思うくらい、乗り心地は最高でした!

 

少し前の話ですが、終電を乗り過ごしたため、タクシーで帰宅することにしました。

道路沿いに列をなしているタクシーから、個人タクシーはないか探していたところ、

え?!うそ?!

と我が目を疑うタクシーが止まっていたのです。

 

それは日本が世界に誇る最高級車「センチュリー」。

白地に青ラインのボディに、屋根には黄色いでんでん虫のマーク。

これは紛れもない個人タクシーです。

しかし、車は皇族方や総理大臣クラスが乗っている(兵庫県知事が公用車に導入して大バッシングを受けている)、あの「センチュリー」そのものだったんです。

 

「これ、ほんと?」

と思いつつ、空車のランプが点灯していたので、おそろおそる、

「良いですか?」

と尋ねたところ・・・。

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センチュリーの個人タクシーに乗車

センチュリーの個人タクシーを見つけたときは、本当にビックリしました。

まさか、この最高クラスの自動車がタクシーとして営業しているなんて、考えたこともなかったですから、ね。

 

実際にタクシーだと分かっても、

「迎車かな?」

「自分なんか、乗車拒否されるんじゃないかな?」

「料金はどうなんだろう?もしかして高めにお金を取られるかも?」

などなど、恐れ多い感じの思いだけが頭に浮かびました。

 

だけど、これまでの人生で「センチュリー」みたいな最高級車に乗ったことなんかなかったし、まして、それが個人タクシーだなんて経験、もう二度とできないだろうと思ったので、おそるおそる運転手さんに声をかけたんです。

 

すると運転手さんは、

「ああ?まあ、うん、どうぞ」

と、(それなりに勿体ぶりながらも)ドアを開けてくれました。

 

緊張しながら行き先を告げると、発車したのかしなかったのか分からないくらいの滑らかさで車はスタート。

そして、車が動いていることを感じさせない安定した乗り心地。

車内は超静かで、外の音も、エンジンの音も全く聞こえません。

「う~ん、これが最高級車の乗り心地かぁ・・・」

初めての経験、しばし愉悦に浸っておりました。

 

最高級タクシーはお得意様限定

走り始めてしばらく時間が経つと、こちらの緊張感もほぐれてきます。

すると、ムクムクと湧きあがってきた好奇心を抑えきれなくなり、運転手さんに質問攻めを開始しました。

 

福ふくろう
福ふくろう
この車って、センチュリーですよね?
こんな高級車で営業されてるんですね?
運転手
運転手
ええ、まあ、ね。
私、車が大好きで、しかも大きいのが好みなんでセンチュリーにしたんですよ。
昔はクラウンでしたけど。

 

福ふくろう
福ふくろう
そうなんですかぁ。それにしてもセンチュリーのタクシーって乗ったのも見たのも初めてですよ。
いつも、ああやって路上で営業されてるんですか?
運転手
運転手
まさか!そんなわけないですよ。いつもは予約のお客様しか乗せてません。
福ふくろう
福ふくろう
なるほどぉ、そりゃそうですよね。
センチュリーの個人タクシーが流していたら、ちょっとしたパニックが起きそうですもんね。
ところで、その予約ってどうすればいいんですか?

 

このときは、予約できるものならしてみたいって、マジで思ったんですね。

タクシーを呼んだらセンチュリーがやってきた!

なんて、大受けするの間違いないですから。

 

すると運転手さんは、

運転手
運転手
いやぁ、私はお得意様からしか予約を受け付けていないんですよ。
皆さん、長距離に乗られる方ばかりなんですけど。

ですと。

実にあっけなく「お断り」されました(笑)。

 

ちなみに、このとき車を路上に止めていたのは、長距離のお客さんを運んだ後で、休憩を取っていたから。

タクシーの行列の中での駐車ですから、ほかの運転手の手前もあって、あえて「空車」のランプを点けていたんだそうです。

そこに私がやってきたという、ホント、たまたまのラッキーで乗れたんですね。

 

福ふくろう
福ふくろう
このタクシーに乗れるのは、長距離のお得意様だけってことなんですね・・・。その長距離って、例えばどこなんですか?

運転手
運転手
そうですねぇ・・・、箱根や熱海、軽井沢の別荘に行かれる方とか、群馬や茨城にお住まいで、東京に出てこられる方なんかがいらっしゃいますね。
ああ、そういえば・・・。

と、運転手さんが話し始めたのが、芦屋に住んでいるセレブなマダム。

この話がまあ、バブリーというかなんと言うか・・・。

 

芦屋セレブのバブリーなお買い物

話に出てきた芦屋セレブは、お金持ちがたくさん住んでいることで有名な兵庫県の芦屋市にお住まいの有閑マダムさんです。

月に一度、東京は銀座にやってきて、買い物三昧で過ごされるのだとか。

そして、東京からの帰りは「タクシーで」と決めていて、必ず予約をしてくるそうです。

 

福ふくろう
福ふくろう
え?芦屋って、あの兵庫県の芦屋ですか?
東京から芦屋までタクシーで帰るんですか?
キョリにしたら600kmはあるでしょ?
なんで?

運転手
運転手
そうなんですよ。おかしいでしょ?
だから、私、いつも言ってやってるんですけどね。
何もタクシーなんかで帰らなくったって、新幹線で帰ればいいじゃないかって。
私だって、一人で運転するの疲れるし、ねぇ。
でも、そのお客さんはね・・・

 

東京に来るとき、芦屋セレブはあらかじめ、

「いついつの何時ごろに、銀座のどこそこに車をまわしといてね」

って予約します。

運転手さんは、少し早めに到着して待機していると、芦屋セレブが両手いっぱいに荷物を抱えてやってきます。

さらにその後ろに何人も、たくさんの荷物を持った人たちが続くのですが、そう、彼・彼女らは、芦屋セレブが爆買いした高級ブランドショップの店員さんたちなんです。

 

まずはセンチュリーの後部座席に、ゲットした商品をしこたま積み込み、大きな荷物やシートに入りきらなかったものは、しぶしぶトランクに入れるのです。

 

そして、車が走り始めるや、無造作に包装を破っては商品を1個ずつ取り出し、チェックするのですが・・・、その際、運転手さんに向かって、イチイチ、商品の説明をしては、自慢をしてくるんだとか。

それが、実にうっとうしいんだって笑って言ってました。

 

芦屋セレブ
芦屋セレブ
これはねぇ、○○(超高級ブランド)で日本で3つしか販売されない貴重なものなの。
アタシのために、わざわざ取り置いてくれたのよぉ

芦屋セレブ
芦屋セレブ
これよこれ!これがずーっと欲しかったやつなの。これのすごいところはね・・・
(うんちく&自慢が延々と続く)

 

挙句の果てには、

芦屋セレブ
芦屋セレブ
ケリーバッグだなんだって大騒ぎしている人たちって、ほんと、バカよねぇ。
あんなのでハシャイじゃってさ。
本当の本物のバッグは、これのことを言うのよ。これが、とっても良いのよねぇ。
ねえ、あなた、このバッグ、いったいいくらすると思う?

なんてことも。

結局、値段の話なんかい?!とつっこみを入れたくなるところですね。

(注:芦屋セレブの発言は、デヴィ夫人を意識しながら、私、福ふくろうがかなり脚色して書いています(笑)。でも、本当にこんな内容のことを運転手さんは話していましたよ)

 

で、話は戻って、この芦屋セレブ、なんで長い時間をかけて、高い高いタクシー代

(おそらくタクシー代は6ケタでしょう。でも、芦屋セレブが買い物をした額はケタが2つ上かも・・・)を払ってでも、タクシーで帰るのか?なんですが、上に書いたように、

タクシーの中で自分がゲットした戦利品を広げるのがこの上ない楽しみ

だからなんだそうです。

 

タクシーだと、自分で買ったものは自分で持って帰れるし、買ったものをすぐに手に取って、悦に浸るのが楽しくて楽しく仕方がないんだとか。

東京は銀座から兵庫県・芦屋市まで途中の休憩を入れても7時間以上、芦屋セレブを載せて走る最高級車タクシー。

車内で繰り広げられる有閑マダムの自慢話に、辟易としながら付き合っている運転手。

まるでマンガのような世界が、現実に起きているんですよねぇ。

このシーンを想像すると、なんだかニヤけてしまいます(笑)。

 

運転手さんがもらえる運賃は片道分とはいえ、それだけで6ケタの売り上げになりますし、帰りの高速代にいくらかチップももらえるので、この予約が入ると1週間は仕事をしなくても大丈夫なんだとか。

とは言え、運転手さんもそれなりの年齢になられているので、肉体的にとてもキツイし、なにより、芦屋セレブの自慢話がうっとうしいので、他の個人タクシー仲間に仕事を回すこともたびたびなんだとか。

 

最高級車タクシークラブが存在した

福ふくろう
福ふくろう
え?他のタクシー仲間に回すんですか?
センチュリーを予約してくる人だったら、普通のタクシーだと満足しないんじゃないですか?

運転手
運転手
いや、それがね。実は私の運転手仲間って、みんな、高級車に乗ってるんですよ

 

聞くと、ベンツの最高級クラスで個人タクシーを営業している人が一番多くて、あとはキャデラックなどのアメ車、なかには、ロールスロイスで営業していた個人タクシーもあったのだとか。

 

このように最高級車タクシーで営業している方々が実際にいらっしゃるわけですが、皆さん、車が大好きで、しかも高級車に乗ることを喜びにされているんだとか。

彼らは、高級志向の強い上得意客を何人も抱えているので、普通にクラウンのタクシーで流しの営業をするより、よっぽど楽で実入りが良い仕事をしているそうです。

そして、仲間内でちょっとしたクラブをつくっていて、自分の都合がつかないときは、他の最高級車タクシー仲間に仕事をまわしているんだとか。

 

おわりに

以上、最高級車「センチュリー」の個人タクシーにたまたま乗り合わせたことと、その車内で聞いた芦屋セレブのバブリーなお買い物、そして、高級車個人タクシークラブについて、ご紹介しました。

世の中、自分が知らない世界ばっかりで、こうやって、ほんの少し触れられたというのはとっても良い経験でしたし、何よりおもしろかったですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。