今回は、北海道は利尻島・礼文島に観光ツアーで行ってきた旅レポをお届けします。
ずーっと前なんですが、仕事で最北端の地を目指して稚内に行ったことがあります。
そのときに入った公共の温泉の露天風呂から、利尻富士がクッキリと見えて以来、いつかあの場所に行きたい!と念願しておりました。
10数年経ってその思いをようやっとかなえることができたので、感無量と言いたいところですが・・・、ちょいっとばかり消化不良のところもありました。
このエントリーでは、利尻島・礼文島それぞれの魅力をお伝えするというよりは、少しポイントをずらして、気づいたことやちょっとニッチな情報を記したいと思います。
(2017年10月の旅行記です)
利尻・礼文に行ってきた!
利尻島と礼文島、それぞれの位置関係はこちら。
礼文島はカニの爪のような形。
語源はアイヌ語のレプン・シㇼ(沖の・島)です。
200種類以上の高山植物が咲くことから、別名「花の浮島」とも呼ばれています。
利尻島は丸い形。
語源はアイヌ語のリ・シㇼ(高い・島)で、深田久弥が選定した日本百名山の一発目、「利尻山(利尻富士)」で有名です。
利尻島・礼文島のツアー行程
利尻島・礼文島のツアー行程は以下の通り。
初日
- 羽田空港→(飛行機・千歳乗り継ぎ)→稚内空港→ノシャップ岬→稚内港→(船)→礼文島・香深港→宿
2日目
- 宿→桃岩・猫岩→うにむき体験センター→スカイ岬→スコトン岬→香深港→(船)→利尻島・鴛泊港→姫沼→オタトマリ沼→仙法師御崎海岸→宿
最終目
- 宿→鴛泊港→(船)→稚内港→宗谷岬→稚内空港→(飛行機)→羽田
ごらんのとおり、初日と最終日はほぼ移動、2日目が観光メインで利尻島と礼文島をそれぞれほぼ一周する行程で、実に慌しいものでした。
オフシーズンだったことと天気が良くなかったことから、残念ながら利尻島、礼文島とも、その魅力を十分堪能するまではいかなかったです。
でも、念願の地を訪れることができたのと、超久々の嫁さんと2人での旅行だったこともあり、とても思い出深いものになっています。
プロペラ機に搭乗
今回のツアーは、「羽田空港から稚内空港まで直行便でラクラク」が売りのひとつ。
千歳空港から稚内の港までバスで移動となると、それだけで5時間はかかるので、楽でいいな、と思っていたのですね。
で、ネットでツアーを申し込んでいると、画面が「同意します」のクリックを求めてきます。
「何に同意せよと言ってるのか?」と読んでいたら、
「往路・復路とも、千歳空港で乗換えとなる場合があります」
と書かれています。
「直行便に乗れるよう頑張って手配するけど、もしダメだったらごめんね」ということですな。
「直行便でラクラクの売り内容と違うじゃないか」
と思いましたが、同意しないことには申し込みができませんので、もちろんクリックします。
そして、後日、送られてきた行程表では、しっかりと乗り継ぎとなっておりました。
おかげで、めったに乗れないプロペラ機に乗れました。
機内は、プロペラ音が大きくて話し声が聞き取りにくかったくらいで、他には通常のジェット機との違いは感じませんでした。
樺太(サハリン)が見えた
上の写真では分かりにくいと思いますが、ノシャップ岬の高台にある公園から、うっすらと樺太が見えました。
ガイドさんから、
「ここからサハリンは滅多に見られないんですよ。それが、こんなお天気(=今にも雨が降りそうなくらいの曇り空)なのに見られたって、お客さんたちは超ラッキーです」
と言われました。
私的には、樺太が見えるより、すっきりと晴れたほうが嬉しかったんですけど。
あと、稚内での自由昼食で、ガイドに勧められていったラーメンが、あまりにも普通すぎて、おもしろくなかったです。
船が大揺れ
フェリーで礼文島に向かいます。 フェリー乗り場は、実にきれいな建物です。
中には「島民休憩所」というのがありました。
シーズンになると、観光客でごった返すそうですから、地元の方への配慮(もしくは要望)なんでしょうね。
船は後のほうが揺れが少ないとアナウンスされ、そこを目指したのですが、そこそこ混雑していたので、しかたなく中ほどの客室に入りました。
ところが、これが大失敗。
前日は時化のため欠航、当日も私が乗った便から後は欠航になるくらい海は荒れでした。
波の高さは3m以上で、湾内から出たとたん、大揺れが始まります。
ものの10分も経たないうちから船酔い状態になってしまいました。
「こりゃ、だめだ」
到着まで、後方のデッキで風にあたっておりました。
ちなみに、帰りの便で「後方の左右真ん中」に場所を確保していたら、地元の人がすぐ近くに来たのです。
船を下りるとき、その人から
「狭いところに割り込んで申し訳なかったですね。
ここは、一番揺れない場所だから、いつもこの辺りをキープしてるんですよ」
と言われました。
特段、割り込んできた感じでもなかったので、こちらは何とも思っていなかったのですが、先方は道中、気にしていたのでしょうね。
次回からの教訓は、「船は後方、左右真ん中が揺れない」です。
うに終了の大不覚
不覚も不覚、大不覚です。
北海道に行くなら、食事は大きな楽しみのひとつ。今回は、とりわけ獲れたての「バフンうに」にめちゃくちゃ期待していたのです。
ところが・・・、漁のシーズンって、もう終わっていたのです。
こんなこと、ちょっと調べりゃすぐに分かることなんですが・・・、すし屋にいけば年がら年中、うにを食べられるので、「シーズンもの」という意識が全くなかったのです。
添乗員さんから、
「今は、うには食べられませんけどね」
と聞かされた瞬間、
「え?うそ?!」
とショックを受けました。
ほんと、大不覚でありました。
ちなみにオホーツクのバフンウニの禁漁期間は10月から3月半ばまで。
この間は、獲れたてのうには食べられず、利尻・礼文では冷凍うにはなかったようですので、お気をつけください。
(うにの禁漁期になった途端、ツアーの値段は下がりますけどね)
満点の星空と日の出
一日目の宿は、海沿いにあって、部屋からはうっすらと利尻山が見えました。
夜中、酔い覚めとともに目が覚めたので、何気に外を眺めたら、キレイに晴れ渡っており、満天の星空になっていました。
そして、早朝、日の出を見ることも出来ました。
天気予報では、ずっと曇りか雨。
なので、良い景色はあきらめかけていただけに感激しました。
標高1721mの利尻富士、山頂部分は雪化粧を施しています。
日本一賑やかで熱いユースホステル「桃岩荘」
2日目は、利尻礼文両島を慌しく観光するというスケジュール。
まずは、桃岩・猫岩のすぐ近くにあるユースホステル「桃岩荘」です。
すでにクローズされており、窓には板が打ち付けられています。
スタッフによるお見送りが、ものすごくユニークで有名で、日本三大バカユースホステルに数えられています。
一度泊まった人は病みつきになって毎年訪れるか、トラウマになって二度と来ないか、どちらかだそうです。
ありきたりの宿は飽きたという方には、おすすめですかね?
詳しくは、ググッてください。
オフシーズンの「うにむき体験センター」
上で書いたように、すでに、うにのシーズンは終わっています。
なのに・・・、旅行社的には諸般の事情があるんでしょうね、ツアーコースにはしっかりと「うにむき体験センター」が組み込まれています。
板張りの素朴な建物。中の床は、コンクリートの打ちっぱなしに、流し台やら水槽がたくさん置かれていましたが、進入禁止のロープが張られています。
もちろん、うにむき体験はできませんし、生うにも食せません。
で、食したのが塩漬けうにとあわびの焼き物。 うには一気に売切れてしまいました。
店のお兄ちゃんに
「タッパーに残っている分を味見させて欲しい」
とまるで飢えた小学生のようなお願いをしたところ、
「ただでいいよ。あ、やっぱり100円もらおうかな」
と言って、少し分けてくれました。
味は・・・、とっても塩辛くて、うにらしさはありませんでした(笑)。
白ごはんには合いそうですが、500円?分の量は食べられなかったでしょうね。
あわびは、小ぶりでした。
一見すると、トコブシ?って思うサイズで、コリコリして美味しかったです。
これ、いわゆるエゾあわびというもので、本州などで獲れるあわびとは別物なんだとか。
旅行社の北海道ツアーで、
「おひとり様にあわび1個付き」
という宣伝文句を見かけますが、出てくるのはこのちっちゃなエゾあわびなので、ガッカリなさいませんように。
スカイ岬のタコ
澄海岬と書いてスカイ岬。海の水は澄んでいました。
ここでは、タコにうに味噌を塗って、バーナーであぶった串をいただきました。
味噌とうにが甘くて、タコも柔らかく、とてもおいしくいただきました。
最北端と最北限の違い
礼文島の一番北側に位置するスコトン岬。 そこでは、最北限と書かれています。
同じく、トイレにも最北限の文字が。
そして、こちらは、最終日に行った宗谷岬。碑には「日本最北端の地」と表示されています。
(露光ミスで、画像は白とびしています・・・すんません)
最北端と最北限、一体、何が違うのか?について、以下、鈴木ヒロミツに良く似たガイドさんが教えてくれました。
ずっと昔は、礼文島のスコトン岬に「日本最北端」との表示をしていたそうです。
ところが、緯度を正確に測ったところ、日本最北端は礼文島ではなく、宗谷だということが判明したのです。
これまで、日本最北端を売りにしていたのに、その表示が出来なくなった、さあどうしよう?ということで考え出されたのが、「最北限の地」という表記。
この最北限には、「人間が住んでいる島で、一番北にある場所」という定義があるそうで、礼文島が環境庁に「使わせて欲しい」とお願いしたところ、「だったら、いいよ」とお墨付きをもらったとか。
「日本最北限」のように日本とは書かれていないのは、なぜかはわかりません。
ちなみに、最北限のトイレ、中はいたって普通でした。
うに釜飯にイクラをトッピング
2日目の夕食は、豪勢でした(初日は、しょぼかったっス・・・)。
なかでも、おいしかったのが、うに釜飯。
これに、先付けで出ていたイクラのしょうゆ漬けをトッピングしていただきました。
そして、デザートは「こんぶらん」。宿泊先ホテルのオリジナルケーキです。
上に乗っているのは、マロン・クリームではなく、コンブを混ぜ込んだもの。
ほんのりと海草の風味が感じられて、とてもおいしかったです。
「こんぶらん」という語感が気に入ったのか、ツアーの同行者たちは、やたらに「こんぶらん」「こんぶらん」と言っておりました。
エサをあげない優しさ・・・
利尻島から稚内港に向けての帰りのフェリーには、「エサをあげない優しさ・・・」のキャッチコピーとともに、カモメにエサをやろうとする絵のポスターが貼ってありました。
それがパッと見、「売店でエサを売ってるから、買ってカモメにあげてね」というメッセージに思えるくらい、「エサをやるな!」との意図が伝わらないポスターでした。
フェリーが出港するとき、後方のデッキで写真を撮っていたら、カモメがたくさん集まってきました。
となりをみると、ちっちゃいおばあちゃんが、手にしていた「キャラメルコーン」を投げまくっているのです。
しかも、おばあちゃん、もの凄く怖い顔をしながら、必死になって投げているのです。
怖い顔で必死にキャラメルコーンを投げまくっているおばあちゃんを見ていると、無性に可笑しくなってしまいました。
写真は、ちょうどエサをゲットした瞬間のカモメです。
おわりに
今回、子供が生まれてから初めての嫁さんと2人の旅行。しかも、嫁さんは初めての観光ツアー参加です。
私はツアー旅行がとにかく楽なので、ときどき、一人で参加しているのですが、嫁さん的には、いろいろと気づくところがあったようです。
具体的には、
- 年配者が多い
- みんな、よく食べる
- やたらに買い物をする
- 時間厳守がすごい
- 参加者同士、あんまり話しかけたりしない
といったところ。
特に4番目の時間厳守は、指定時間の1分前には常に全員揃っていました。
ただでさえスケジュールが慌しいのに、時間のプレッシャーがきつくてヤダというのが本音だったようですが、このあたりをどう捉えるかが、ツアー旅行の好き嫌いに大きく影響するのでしょう。
それでも、船が欠航したとか飛行機が飛ばないなどのリスクが高めの旅行は、ツアー参加だと旅行社が何とかしてくれるので、気楽で良いんですよね。
利尻島、礼文島、船の揺れが強烈だったので、たぶん、もう二度と行かないと思いますが、もし行くとしたら今度は「うに」が食べられる時期に訪れたいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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